松井建築研究所                    
MATSUI ARCHITECTURE OFFICE                   

5.民家再生−設備

新しい水廻り設備で快適に

古民家の問題として奥様が一番に揚げられる中の一つとして古い水廻りがある。特にキッチン、洗面、浴室、トイレは最新型の設備にし、快適に生活できるようにする。ただしその古民家に合った素材、デザインで作り、建物全体の統一感を持たせる。

湾曲したチーク無垢板のカウンターが走る

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奥様のご希望で家の中央に置かれたオリジナルオープンキッチン

最新の設備機器を組み込む

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IHヒーター、食洗機、オーブンレンジなどオーダーメイドのキッチン素材に合わせて設置する

北の庭に面したオリジナル洗面家具

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白大理石ータソスの洗面カウンター。ガラス越しに北の庭を眺める

十和田石の床の浴室

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洗面所とガラスを隔てて浴室から北の庭を楽しむ。
暖かみのある十和田石は、人の肌にやさしい。

トイレ

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天井には、昔の丸太梁が走り、民家ならではのトイレ空間

トイレ

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手洗いの下は無垢板を丸くくり抜いて家具に組み込んでいる。

6.民家再生−家具

建物に合った家具の設計

古民家だからといって古い家具ばかりを集める必要はない。単純明解な民家の作りにシンプルで素材を生かしたモダンな家具は良く合う。時と共に深みと味わいをましていき、自然と古い物と調和していく。

鍛造で作ったポスト

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この民家には門がないので、人を出迎える敷地の入口に鉄の鍛造で作ったポストを置いた。(制作者:小谷中)

リビングの家具

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イタリア製のモダンなソファーががっしりした民家に良く似合う(メリタリア社 デザイン:トビオ スカルパ)テーブルはミミ付き栗の無垢板

ダイニングテーブルと椅子

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テーブルはオリジナルチークの無垢板でキッチン家具と合わせてある。塗装はナチュラルオイル拭き取り。椅子はデンマーク製

モダン家具と古民家の空間

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存在感の大きい家具を間をおいて置く事で、大空間がしまる。まさに新旧共存の新空間。

新旧共演の玄関ホール

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チーク無垢板の床、新しい格子と珪藻土の壁、既存のがっちりとした黒光の差し鴨居と梁

床下を利用した靴入れ

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古民家の床は地盤よりかなり高い、そこを利用して作った玄関壁に入っている靴入れ

7.民家再生−外構設計

北を生かし、家の中を明るくする外廻りの設計

とかく北の外廻りはじめじめとし、物置が置かれたり、植栽ものび放題で見捨てられた空間になりがちである。しかし北は南と違った趣があり、家の中に光は射す事はないが明るさを見る事ができる。その北のスペースを積極的に庭として使う事で、建物を湿気から守りまた色々な楽しみができる。
家の廻りには幅広く外に微妙に傾斜を取ったコンクリの犬走りが囲み、さらにその外側に屋根からの雨の為の溝(排水溝)を取り、建物の床下に水が入り込まない様にする。
植栽も家から少し離した所に計画し、家の中はできるだけ明るくする事が、大屋根の平屋である民家には特に必要である。

新しく整備した北の庭

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のび放題であった山裾の植栽を整理し、北の庭を作って各部屋から楽しめる様にした。物置小屋も撤去し、日本間には濡れ縁を設け、夏の夕暮れをビール片手に楽しむ。

浴室からの北の庭

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北の庭は部屋の中からは明るく見える。



蘇った井戸

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一度枯れてしまった井戸が、建主の強いご希望で蘇らせた。断水した時などは大活躍してくれる。


南庭を楽しむ

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大きく開いた掃出し窓から南庭を楽しむ。昔からある欄間窓からも明るい光が部屋の奥深くまで差し込んでくる。



大きな木製建具

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アルミサッシは再び木製建具に戻し、美しい軒裏と対応させた。木製建具はナチュラルオイル塗りとし、古色塗装はしない。時と共に自然に深みを増し古色となっていく。深い軒と同じ巾で犬走りが外周を廻り、外側に傾斜を取り、雨水を溝へと流す。家を湿気から守る対策である。

外観

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外観はなるべく建物最初の姿に戻すように心がけた。周りの風景と一体となり、この地域の顔として次世代へと残していく。