松井建築研究所                     
MATSUI ARCHITECTURE OFFICE                    

敷地面積    720㎡
 1階床面積    108㎡
 2階床面積    52㎡
延床面積     160㎡
構造      木造2階屋
設計監理    松井建築研究所

北に緑豊かな山並みが連なり、南には多摩川の支流が流れる風光明媚な青梅市の築120年の民家である。建築好きの歴代当主が、明治、大正、昭和、平成と代々大切に住み継がれてきたお住まいを、今回さらに若いご家族が引き継いでいく令和の民家再生となった。

建物の構成は3つからできている。中央に総2階建ての築120年(明治)の一番古い建物があり、その東に大正の増築部分、その西側に平成(30年前)の増築部分があり、1件の建物を成している。その増築部分はそれぞれ民家としてしっかりと風格がある。
今回は中央の一番古い母屋を中心に、耐震性、居住性を高める民家再生工事が行われた。

伝統工法を生かしながらの基礎工事、床下地工事、耐震壁、断熱工事、梁補強工事と仕上げ前の工事に約4ヶ月半(全工程9ヶ月)かかった。(その過程はブログをご覧ください。)

中央の南旧3座敷を繋げてリビングダイニングに、さらに西の吹き抜け増築部に広げてキッチンとした。内部の造作は無垢板をふんだんに使用し、壁は珪藻土塗りで厚みを持たしている。外部建具も全て木製とし、防犯ペアガラスを入れている。手入れのゆき届いた南の庭に大きなテラスを設け、内部と外部を繋げた新しい機能の空間が完成した。
また民家再生ならではの古材利用として、玄関から入ってすぐの客室は昔の厚く大きな差鴨居と柱を残し、石張りの玄関土間と北の庭とのつながりを重視した落ち着いた空間を作っている。さらに昔の職人さん達が作った手の込んだ建具や欄間は、2階の 寝室、子供室で再利用している。




工事中の様子
ブログ(カテゴリー現場の様子)にて紹介しています。
基礎工事、耐震壁工事、木工事、完成

2023年度 第18回民家再生奨励賞受賞