敷地面積　　　 800㎡
延床面積　　　　 160㎡（増築部含む）
構造　　　　　　 木造1階屋
設計監理　　　　松井建築研究所

南に大海原が広がる雄大な地に、200年以上（江戸時代から）も住み継がれていた
古い民家の再生工事である。広い庭に囲まれたほぼ中央奥にひっそりと建っている
その佇まいは、大変好感が持てた。
内部は近年新建材で随分改修されていたが、構造体の保存状態は良好で且つ大変
立派な材が使われていた。

建物の構成は3つからできている。前面に築200年の母屋、後ろに築６０年ほどの
増築部が繋がり、西に築200年の蔵がある。
今回は前面の一番古い母屋を中心に、耐震性、居住性を高める民家再生工事が
行われた。
昔の土間を復活させ、近年改修された低い天井を撤去し、現れた小屋組を目の
あたりにした時の感動は今も鮮明に覚えている。これぞ民家再生の醍醐味だった。

伝統工法を生かしながらの基礎工事、床下地工事、耐震壁、断熱工事、梁補強
工事と仕上げ前の工事に約６ヶ月、そして全工程には1年ほどかかった。